
補聴器は生活の質を大きく左右する大切なアイテムですが、その価格に不安を感じる方も多いのではないでしょうか。実は、補聴器の購入時には公的な補助金や支援制度を活用できる場合があります。この記事では、補聴器購入前に知っておくべき補助制度と支援情報について、分かりやすく解説します。
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補聴器が高い理由とは?
補聴器は「高い」と感じる方が多いですが、その価格には理由があります。補聴器は、単なる音を大きくする道具ではなく、装着者の聞こえ方に合わせて音質を最適化する高度な医療機器なのです。
加えて、購入後の調整やサポートも含めた「聞こえのケア」が必要なため、価格には機器本体以上の価値が含まれています。この記事では、補聴器が高額とされる理由について、わかりやすく解説します。
補聴器の価格帯
補聴器の価格は、片耳あたり約5〜40万円程度と幅広く、両耳で購入するとさらに費用がかかります。安価な機種は基本的な機能のみですが、高価なものになるほど雑音の抑制や自動調整機能などが充実しています。
また、医療機関や専門店での調整・アフターサポート費用も含まれるため、単なる製品価格以上のコストがかかるのが特徴です。購入時は機能とサポート内容をよく確認して選びましょう。
価格の幅が広い理由
補聴器の価格に幅があるのは、搭載されている機能や性能、デザイン性の違いによるものです。高価な補聴器ほど、雑音抑制や環境自動認識、Bluetooth接続などの高機能が備わっており、より自然な聞こえを実現できます。
また、耳の形に合わせたオーダーメイド製品や、目立ちにくい超小型タイプも価格が高くなりがちです。さらに、専門家によるフィッティングやサポート費用も価格に含まれる点が影響しています。
補助制度や支援制度の種類とは?
補聴器の購入には、公的な補助制度や支援制度を活用できる場合があります。代表的なものとしては、身体障害者手帳を取得した方を対象とする補装具費の支給制度があげられます。
ここからは、補助制度や支援制度の種類についてくわしくご紹介します。
身体障害者手帳があれば補装具費が給付される
身体障害者手帳を取得している方は、補聴器購入時に「補装具費支給制度」を利用できる場合があります。これは国や自治体が定めた条件を満たした補聴器について、費用の全額または一部を補助する制度です。
対象となるのは、一定の聴力低下がある方で、耳鼻科での診断や聴力検査が必要です。給付には指定された補聴器や業者での購入が必要なため、事前に条件を確認しておくことが大切です。
自治体による独自の助成制度にも注目
身体障害者手帳がなくても、自治体によっては独自の補聴器助成制度を設けている場合があります。高齢者や軽度・中等度の難聴者を対象に、補聴器購入費の一部を助成する制度があり、条件や補助額は地域によって異なります。
所得制限や年齢制限、対象機種の指定があることも多いため、申請前に自治体の福祉課や公式サイトで最新の情報を確認することが重要です。知らないと損をする制度なので事前によく調べましょう。
子どもや若年層向けの支援
子どもや若年層向けにも、補聴器に関する支援制度が用意されています。とくに成長期の子どもにとって「聞こえ」は言語や学習の発達に直結するため、各自治体では補聴器の購入費や貸与に対する助成を行っています。
就学前の乳幼児や学生を対象に、全額補助や一部補助が受けられる場合もあります。制度の内容は地域によって異なるため、早めに保健センターや教育機関に相談することが大切です。
補助を受けるには何をすればいい?
補聴器の補助を受けるには、まず自分がどの制度の対象になるのかを確認し、正しい手順で申請を行いましょう。制度によっては購入前の申請が必須で、すでに購入してしまった場合は対象外になるケースもあります。
ここでは、補助を受けるために必要なことについてご紹介します。
耳鼻科を受診する
補聴器の補助を受けるためには、耳鼻科での受診が欠かせません。医師による診察と聴力検査を受けることで、自分の聴力状態を客観的に把握でき、補聴器が必要と判断された場合には診断書を発行してもらえます。
この診断書は、身体障害者手帳の申請や補装具費支給の手続きに必要となる重要な書類です。自己判断せず、まずは専門医に相談することが、補助を受ける第一歩になります。
申請の流れとは?
補聴器の補助を受けるには、まず耳鼻科で診察を受け、医師の診断書を取得します。次に、市区町村の福祉窓口で身体障害者手帳の申請や補装具費の給付申請をします。
審査がとおると、指定業者での補聴器の見積もりや選定を経て、給付が決定されます。制度によっては事前申請が必須なため、購入前にしっかりと流れを確認することが重要です。不明点は自治体に相談しましょう。
まとめ
本記事では、補聴器購入前に知っておくべき補助制度や支援情報についてご紹介しました。補聴器は高度な医療機器であるため、価格が高額になることが多いですが、公的な補助制度や自治体の支援を活用することで、費用負担を大幅に軽減できます。身体障害者手帳をもつ方が利用できる補装具費支給制度のほか、多くの自治体が独自に助成制度を設けており、子どもや若年層向けの支援も充実しています。補助を受けるためには、耳鼻科での診察や診断書の取得、そして自治体への申請が必要です。購入前に手続きを進めることが多いため、早めに情報収集し、専門機関に相談しましょう。補助制度を上手に活用し、安心して補聴器を選びましょう。