補聴器をつけて雑音がするときがありませんか?補聴器は、さまざまな原因により、雑音が発生することがあります。しかし、雑音を軽減する機能を搭載したモデルもあり、機能をうまく使うことで快適な使用が可能です。この記事では、補聴器から発生する雑音の原因と対処法を詳しく解説しているため、ぜひ参考にしてください。
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補聴器をつけると雑音がする原因
補聴器から雑音がする原因として、補聴器の構造やフィッティング不足、環境音などが挙げられます。ひとつずつ確認していきましょう。
ハウリング
補聴器のハウリングは、雑音の原因のひとつです。ハウリングは、マイクで話した声をアンプで増幅して、スピーカーから流した際によく発生します。
スピーカーから発生した音が何らかの理由で補聴器の外にもれ、再びマイクが集音し、アンプで再増幅された音を再びマイクが拾う、というメカニズムで、音が増幅され続けた結果「ピー」という音になる現象が起こるのです。
補聴器の音を増幅するメカニズムは、最初に外からの音を、補聴器の外側についているアンプで集音し、アンプで増幅した音をスピーカーから流し、鼓膜に音を届けます。装着の向きが悪かったり、耳とサイズが合っていなかったりすると、耳と補聴器の間に隙間が発生し、漏れた音をマイクが拾うことでハウリングが発生するケースがあるのです。
フィッティング不足
購入時のフィッティング不足が雑音の原因になるケースもあります。補聴器は購入時に、さまざまな音に対して心地よく聞こえるように調整。音への聞こえ方は人により違うため、音の大きさ、高さなどの聞こえ方を分析し、ひとりひとりに対して調整を施します。これがフィッティングです。
購入時のフィッティングがしっかりとできていないと、必要ない雑音に対しても増幅し、不快なノイズとなる可能性があります。
環境音の増幅
生活環境から聞こえてくる音が増幅された結果、気になってしまう人は多いです。日常生活の中ではそれほど気になりませんが、ひとたび意識すると、いろいろな音に囲まれていることがわかります。
たとえば、冷蔵庫のモーター音やエアコンの音、パソコンのファンの音など、かなり小さく、意識してはじめて気づくレベルですが、持続的に鳴る音を確認できるでしょう。しかし、補聴器を検討する方の聴力はかなり衰えている傾向が強く、補聴器を装着して、増幅された環境音の大きさに驚くことが多いです。
補聴器から雑音が聞こえるときの対処法
さまざまな雑音を不快に感じ、補聴器の使用をやめてしまうかもしれません。しかし、雑音へ対処できる場合があるため、気になる場合は試してみてください。
耳栓のサイズや装着方法を検討する
補聴器の耳栓や装着方法を工夫することで、ハウリングの発生を抑えられる場合があります。耳が完全にふさがっていない場合、隙間からスピーカーの音が漏れ、ハウリングにつながるのです。
耳栓の大きさを、耳にフィットするサイズに変更することが解決方法のひとつ。また、装着方法が悪い場合もハウリングのリスクが高まるため、専門店で相談し、指導を受けるとよいでしょう。
フィッティングを依頼する
小さな音が増幅され、ノイズになる場合は、補聴器の調整を専門店で依頼しましょう。生活に必要な音以外の感度を低下させることで、ノイズの減少が期待できます。フィッティングは購入時に行うものですが、購入後も必要に応じて依頼することで、快適な聞こえを手に入れられます。
環境音に慣れる
環境音は、あって当たり前の音です。聴力が低下して環境音の存在を長く認識していなかった場合、少しの環境音で驚いてしまうケースがあります。生活環境はそういうものだ、と考えて慣れるよう努力することも大事です。しかし、あまりにも環境音が大きく、生活に支障が出るレベルであれば専門店でフィッティングしてもらうことをおすすめします。
雑音抑制機能(ノイズリダクション)を搭載した補聴器もある
技術の進歩にともない、補聴器の機能は多彩になっています。雑音への対策がそのひとつで、ノイズリダクションと呼ばれる技術で雑音を軽減させるのです。機能の詳細を確認していきましょう。
雑音抑制
音のパターンにより音の種類を判別し、必要ない音を抑制する機能です。補聴器で重視するのは人の会話音声です。会話音声には抑揚があり、声の高さも中域に収まっています。逆に、抑揚がなく、必要のない高さの音が減少することは問題ないため、機械的にカットすることで快適な会話が楽しめるでしょう。
しかし、冷蔵庫のモーター音などの持続音はカットしやすいですが、雑踏などの不規則な音に対しては働きにくい場合があります。補聴器の価格帯によっては、簡易的な機能しか搭載されていない場合があるため注意が必要です。
衝撃音抑制機能
衝撃音は、そのまま増幅すると耳を痛めるリスクもあるため、衝撃音を抑制する機能を持つ機種もあります。食器の音や補聴器に触れたときなどの急激な音量変化をマイルドに再生することで、衝撃音を抑制することが可能です。
まとめ
ここまで、補聴器から発生する雑音の原因と対処法について詳しく解説しました。補聴器は、ハウリングやフィッティング不足などにより雑音が発生することがあります。多くは装着方法の改善や再びフィッティングすることで修正できるので、専門店で相談してみましょう。
しかし、世の中にはさまざまな環境音があるため、ときに不快に感じることがあるかもしれません。そのようなときは、ノイズリダクション付きの機種を試してみてください。音を判別し、不要な雑音や突発的な衝撃音を緩和してくれる便利な機能です。