
補聴器をしばらく使用していると「聞こえがしっくりこない」「調整しても改善しない」と感じることはありませんか?そんなときに役立つのがセカンドオピニオンです。別の専門家に相談することで、新たな調整方法やより適した補聴器の提案を受けられる可能性があります。本記事では、補聴器のセカンドオピニオンについてくわしく解説します。
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補聴器の「セカンドオピニオン」とは
補聴器を購入したものの、なかなか聞こえにくさが改善されないという悩みを抱えている方は少なくありません。補聴器は、一度購入すればそれで終わりというものではなく、使い続ける中で調整や設定の変更が必要です。
その際に考えたいのが「セカンドオピニオン」です。調整がうまくいかない場合や、補聴器を使うこと自体に抵抗を感じるようになった場合、他店での調整を考えてみることもひとつの方法です。
セカンドオピニオンを求めることで、違う視点からのアドバイスを得られ、今まで気づかなかった改善点や新しい調整方法を知ることができるかもしれません。
また、補聴器を取り扱う店舗は、専門店や医療機関だけではなく、通信販売やドラッグストア、電気店など多様な選択肢があります。これらの場所では、補聴器の価格や種類が異なり、購入後のサポート体制もさまざまです。
購入した場所に不安があれば、ほかの店舗で調整を依頼することで、より自分に合った補聴器を見つけやすくなります。ただし、補聴器の調整は二人三脚の協力が重要です。補聴器の調整には時間と根気が必要で、うまく調整できないこともあります。
これは、聴力の状態を正確に伝えることが難しく、調整者も一度の調整で完璧に解決することが難しいためです。補聴器の調整は、補聴器専門店や眼鏡兼業店、耳鼻咽喉科の補聴器外来での対面販売で行われます。
専門家が聴力に合わせて細かく調整を行い、聞き取りやすさや負担の少ない設定を提供します。しかし、調整者とコミュニケーションがうまくいかない場合、調整が進まないことがあります。
セカンドオピニオンでしっかりと悩みを解決できるよう、根気強くコミュニケーションをとり、納得いくまで調整を続けてもらうことが大切です。
補聴器のセカンドオピニオンの流れ
補聴器をつけても状況が改善しないときは、補聴器のパフォーマンスを最大限に引き出すためにセカンドオピニオンを受けるとよいでしょう。ここでは、セカンドオピニオンの流れを解説します。
予約・問い合わせ
セカンドオピニオンを利用するためには、事前に予約が必要です。まず、メールや電話で「補聴器のセカンドオピニオン」を希望する旨を伝え、候補となる日時をいくつか挙げて調整を行います。
この際、使用している補聴器のメーカーや機種についても確認されるため、機種名や取扱説明書、保証書を準備しておくとスムーズです。
来店・問診票記入
予約した日時に店舗に来店し、問診票を記入します。問診票には、補聴器を使用している際に感じている問題や不満、使い勝手についてくわしく記入します。この情報を元に、個別のカウンセリングが行われ、具体的な困りごとや改善希望を共有します。
補聴器の点検・確認
カウンセリング後、実際に補聴器の点検を行います。故障が発覚した場合には、修理が必要です。その際、メーカー保証内であれば手数料は無料ですが、保証期間外の場合は手数料が発生します。補聴器が正常であれば、次のステップに進み、調整の準備をします。
聴力測定
補聴器の調整を行うために、聴力測定が行われます。最近他店で聴力測定を受けている場合でも、改めて行うことが推奨されます。防音室で、純音聴力測定と語音明瞭度測定の2種類を実施し、約20分の時間がかかります。感染症対策として、測定場所が変更されることもあるので、事前に相談しておきましょう。
フィッティングの確認
聴力データにもとづき、補聴器のフィッティングが確認されます。補聴器が耳にしっかりとフィットしていない場合や、耳栓が合っていないと、音質に影響が出ることがあります。そのため、耳栓のサイズ変更や、ケーブル・チューブの長さ調整を行い、装着感を最適化します。
補聴器の調整
フィッティング確認が終わった後、聴力データにもとづいて補聴器の調整を行います。細かい設定や耳栓の変更も含めて、最適な音質になるよう調整を行い、改善が必要な部分を解決していきます。
聞こえの改善・確認・再調整
調整後、店内や外で実際の聞こえ具合を確認します。会話中にどのように感じるか、こもり感や響きが改善されたかをチェックします。静かな場所だけではなく、騒がしい場所でも確認を行い、改善が見られるまで再調整します。
最終確認と再調整
調整後に自宅や職場で実際に使用してみて、問題が解決されていない場合は、すぐに再調整を依頼しましょう。再調整を無料で行っているお店もあるので、何度でも気軽に相談できるところを選ぶと安心です。
セカンドオピニオンに必要なものについて
セカンドオピニオンを受ける際に必要なものは、おもに3点です。まず、補聴器の保証書は必須で、修理対応や交換の際に必要となります。次に、現住所が確認できるもの(例:免許証)が求められます。
これはカルテ作成や修理代替機を貸し出す際に確認されるため、事前に準備しておきましょう。そして、耳鼻科での検査データも重要です。
とくに、直近3か月程度の検査結果があれば、診断の参考として役立ちます。これらの書類を準備しておくことで、スムーズにセカンドオピニオンを受けることができます。
まとめ
補聴器は一度購入して終わりではなく、使い続けることで調整が必要となります。調整の際に思うような効果が得られない場合、セカンドオピニオンを求めて他店での調整を考えることが大切です。調整者との相性も大きな影響を与えるため、相性の合わない場合には、思い切ってほかの選択肢を試すことが改善への一歩となります。