自分に合った補聴器を探すのは簡単ではありません。補聴器は自分の身体の一部として「聞こえ」に関わる重要なものです。それため、失敗せずに自分にぴったりの補聴器を選びたいものでしょう。今回は、補聴器のタイプ、自分に合った補聴器を選ぶポイント、補聴器を購入する販売店の選び方について解説します。
CONTENTS
補聴器の形状は大きく分けて3タイプ
補聴器は大きく分けて「耳あな型」「耳かけ型」「ポケット型」の3タイプがあります。ここではタイプ別にそれぞれの特徴について解説しましょう。
耳あな型
耳あな型の一番の特徴は、とにかく目立ちにくいことです。小型のイヤホンのように耳のあなに収まるため周りから気付かれにくく、また、メガネやマスクなどの邪魔になることもありません。
最小のタイプだと外から見てもほとんど見えませんので、見た目を気にせず装着できます。難聴程度も「軽度~重度」まで対応しています。価格は、5万円台~50万円台ほどです。
耳かけ型
耳かけ型は、オープンフィッティングになるため、音のこもり感や耳あなの閉塞感を抑えます。音の調整力が高いため、重度の難聴にも対応しており、快適な聞こえを実現。防水処理も標準になってきているので安心です。価格は耳あな型と同様に、5万円台~50万円台ほどになっています。
ポケット型
ポケット型は、本体をポケットに入れて、コードでイヤホンとつないで使用するタイプです。大きな文字表示と大きなボタンで操作しやすいでしょう。難聴程度は「中等度~高度」に対応しており、大きな音が出せることも特徴です。価格は3万円台~13万円台で、耳あな型や耳かけ型よりも安価になっています。
自分の聴力に合った補聴器を選ぶポイント
初めて補聴器を選ぶ際に一番大事なことは「自分の聴力に合った補聴器かどうか」です。使用目的や使用環境に合わせてぴったりな補聴器を選びましょう。ここでは補聴器を選ぶ際のポイントについて解説します。
使用目的で選ぶ
ご家族やご友人との会話をスムーズにしたいのであれば、目立たない「耳かけ型」、外出した際に車やバイクなどの音が聞こえやすいようにしたいのであれば、オープンフィッティングに装着できる「耳かけ型」、自宅でテレビやラジオの音をもっとクリアに聞きたいのであれば、操作のしやすい「ポケット型」、などと使用目的によって自分に合った補聴器を選ぶとよいでしょう。
性能で選ぶ
補聴器を検討する人が皆、高価格で高性能な補聴器が必要というわけではありません。難聴になって日が浅い方や難聴の程度が軽い方には、高性能な補聴器は必要ありません。反対に難聴になってから年数が経過している方や難聴の程度が重い方は高性能の補聴器が必要でしょう。
補聴器を買う販売店の選び方
補聴器は一度購入して終わりではありません。購入後も販売店での調整やメンテナンスが必要です。そのため、販売店は、アフターケアがしっかりでき、聞こえの悩みに親身になってアドバイスしてくれるお店であることが大切です。
補聴器の販売店を大別すると、補聴器専門店・眼鏡チェーン店・通信販売店などがあります。ここでは販売店の選び方について解説します。
補聴器専門店
補聴器専門店には、一定水準以上の技術と知識を持った専門スタッフが在籍しています。専門スタッフは耳と補聴器についての専門家です。補聴器のさまざまな機能を最大限に活かし、調整やメンテナンスする際に専門スタッフは大きな力となります。
認定補聴器専門店では「認定補聴器技能者」の有資格者が在籍しており、店舗は一定の条件を満たしている設備を有しているのです。聴力は時間の経過と共に変化していくため、定期的に通える補聴器専門店をおすすめします。
眼鏡チェーン店
全国にチェーン展開している眼鏡店でも補聴器を購入できる店舗があります。全国展開しているだけあり、接客スキルは総じて高水準です。また「認定補聴器技能者」の有取得者が在籍している店舗もあり、最適な補聴器選びを提供してくれます。しかし、店舗によっては補聴器の技術や知識が低い場合もあるでしょう。
通信販売店
現在は、インターネットなどの通信販売でも補聴器を購入できます。補聴器をインターネットで購入するメリットは、店舗の人件費や調整費が削減されているため、その分、対面販売より安く購入できることです。
デメリットは、調整やメンテナンスなどのアフターケアが受けづらいこと。補聴器は購入して終わりという商品ではないため、充分な注意が必要です。
補聴器を買うにはいくら必要?
補聴器の価格は性能によって違い、高性能なほど高価格です。補聴器を使う目的や求める性能によって自分に合った補聴器の価格は違います。ここでは、価格によってどういった方向けのものなのかを解説しましょう。
価格帯別の特徴
先述したように、補聴器は3万円台~50万円台まで、とても幅広い製品がラインナップされています。価格帯別に大きく分けると、10万円前後であれば、性能はシンプルで、屋内で気軽に使いたい方向け。
20万円前後であれば、性能は標準的で、日常生活の大半で補聴器を必要と考えている方向け。30万円以上であれば、性能は高性能・高機能で、仕事中を含めすべての場面で高いレベルで聞こえをよくしたい方向け、と大別されます。
とりあえず高いものを買えばいいということではなく、利用しない機能まで搭載した補聴器を購入する必要はないため、ライフスタイルに合わせて選ぶことが大切です。
まとめ
補聴器には耳あな型、耳かけ型、ポケット型のタイプがあります。それぞれの特徴を知った上で、補聴器専門店などで専門スタッフに相談することが大切です。実際に試聴や調整をしたうえで購入することをおすすめします。
また、補聴器は、高性能になるほど高額になりますが、聴覚障害の等級や市区町村の制度によって購入費用の補助を受けられる場合もあるので、一度市区町村に相談したうえで購入するとよいでしょう。